2003/02/08 オリンパス P-400 (A4サイズ 昇華型プリンター)

 


1 写真用プリンターをどうするか

写真を出力するに当たり、どうするのがいいのか?そんなことを考え始めました。
従来は銀塩主体でしたので、ポジで撮影してラボ出力です。多少のオーダーはあるにしても、お任せで済んでしまいます。

デジタルでの撮影が飛躍的に増え、また、銀塩でもフィルムスキャナーを稼働させるようになりました。さて、手軽に出すには手元のプリンターは必須です。

現状、写真印刷も出来るように、キャノンのBJ-F900を導入しています。
先代のf850に続き、さらにスピードアップしていますし、それなりに綺麗な印刷が出来るようになっています。

BJ-F900での出力は、やはりインクジェットの特性上写真としては厳しい側面はあるものの、およそのディティールは出せます。けれども、先代同様に半年から一年くらい使っていると、だんだんと筋が目立つようになってきました。

新型の950iも世に出ていますし、「1年間ご苦労様でした」になるのでしょうか。

 


2 BJ-F900の不調

プリンターでA4出力を続けていると、あっと言う間にインクが消耗してしまいます。特に空や海が入る写真ばかり印刷している関係で、シアン系が特に早くなくなります。また、1/6濃度のフォト系2色は物凄い消耗にびっくりします。

そこで、反則技ですが、互換インク(補充するタイプ)を使ってみました。
全色入れ替えるのは面倒ですし、フォト系2色だけ使ってみたのですが、やはり色味がちょっと違います。なんとパッケージには、f850系のインクとBJ-F900系インクが同じ扱いで指定してあります。濃度と発色特性が変わっているハズなんですが、互換インクとしては同じとしていました。これでは色味は合いません。

結果的に色乗りが悪くなる様です。この点については、あまりいいことでは無いのですけれど、割り切ってモニター調整を少し変更して対応することとしました。

互換インクも含めて大きな不具合も無かったのですが、最近は筋が目立つようになりました。
また、印刷の終わり頃に、マゼンタの濃度が変わることがあります。

マゼンタの異常に関しては、一度ヘッドを外して再装着(ヘッド一調整なども行う)することで、しばらくは改善することがありました。

 


3 インクジェットか昇華型か

プリンターの不調とともに、買い換えを検討してみました。
従来通り、インクジェットのf950i当たりに流れるか、それとも昇華型などの別の方式にすべきか。

前者の選択では、画質的には改善があるもののインクジェットであることで、あまり変化は期待できません。ただし、どう考えても文書などの出力用にインクジェットタイプが無いと不便なことは否めません。

昇華型などを選んだ場合、上に書いたようにインクジェットも必要ですから、BJ-F900はそのまま写真以外のために稼働してもらうこととなりそうです。

A4サイズで写真を考えたときに、やはり昇華型にするのが一つの落としどころでしょう。
反則でよければピクトロなんかもありますが、貧乏カメラマンには無謀です。

選択肢としては、自ずとアルプスのMD-5500かなと思い始めました。それから、以前から気にかけていたオリンパスのP-400もありますね。

 


4 P-400導入と早過ぎた手配

結果的に、P-400を導入しました。色々と調べたところ、ランニングコストは比較的安くなりそうです。それから、装置自体がかなり安くなっていました。某ビックカメラでは、紙とインクをセットしたものが、49.8kで売られています。

実は、その後29.8kにガツンと値下がりしていました。完全に買い時を間違えましたね。
もう少し消耗品を手配する予定でいたのですが、この価格差があれば、出銭が抑えられたのに。

消耗品のコストですが、A4一枚当たりにすると120円程になります。
インクジェットの場合でも、紙とインクのコストが100円以上になるのが普通と推定されますので、納得できる範囲と思います。

 


5 画像の比較と使用感

このプリンターは、当時鳴り物入り?で発売されたもので、定価は12万以上するものです。今では、売れないために?かなり価格が落ちていますが、今でも十分通用する性能を持っています。

アルプス社の製品もそうですが、昇華型プリンターはどちらかというと業務用途で高価なものが多い世界です。P-400やアルプスのMD-5500は、A4が出力できる高性能プリンターなのですが、破格の値段になっています。
メーカーも思い切った設定で、勝負に出たものと思われます。

bbsなどベースでの話では、「超高性能」「ピクトロと遜色無い」「写真と変わらない」などとも言われています。ただ、インクジェット同様に、筋が入ることがあるので、本当の銀塩(焼き付け)とは違いますし、印刷であることには変わりないと思います。


プリンターの画質について追いかけてみました。
BJ-F900とP-400ではどのくらい違うのでしょうか。

機 種
BJ-F900
P-400
解像度

2400 x 1200 DPI

314DPI
インク
6色(C,M,Y,K,PC,PM) 3色(Y,M,C)+オーバーコート
スピード(A4)
最高解像度で2分程度

3分程度

コスト
A4で100円以上 A4で120円


最初にスペック比較です。
プリンターの解像度である数値(dpi)を見ると、BJ-F900が断然優れている様に思えます。
けれども、インクジェットの特性上から数値はそのまま比較できません。実効的には、300dpi以下と考えるべきでしょう。

インクの色については、BJ-F900はYMCK+PMPCで構成されています。PMPCは、薄い色を持つインクですが、これが無いと階調が確保できない重要なものです。

P-400では、YMCで構成されています。Kが無いことで黒の締まりがチョット心配になるのですが、印字結果を見ればほぼ万全と言えそうです。
それから、オーバーコート層があるので、画像の保護にかなり役立つ様です。


ここまでの比較では、あまり違いが見い出せませんでした。
さて、実際の画像比較をしてみましょう。


プリンターの画像比較をするにあたり、簡単なテストチャートを作ってみました。
このチャートには、以下のようなパターンを配置してあります。

グレーのグラデーション 0〜255までの連続階調を見極めます
RGBのグラデーション 各色の0〜253までの連続階調を見極めます
ハイライト、シャドーの識別 どこまでレンジを使えるのかを見極めます

 

結果を列挙してみます。

連続するグラデーションは、豊かな階調表現に非常に重要なものです。
双方共に、明らかなジャンプは見られません。
ただし、P-400は3色を使ってグレーを出しているために、部妙な色ブレが出ています。
各色のグラデーションにも、同様に綺麗なトーンになっています。
特に感じたのは、P-400の黒へのトーンの美しさです。
黒の締まりに少し不安もありますが、滑らかさはさすがです。
色的な深さ(彩度など)では、P-400の緑が弱くて黄緑系になっています。
また、赤と青については、BJ-F900よりも深い感じです。
このテストでは、P-400のハイライト側が失われやすいことが分かりました。
BJ-F900の方が、明らかにハイライト付近の階調が残っています。

 BJ-F900の設定  最高画質、プロフォトペーパー使用、VIVIDはオフ

 

テストだけではよく分からないこともあるので、色々な写真を印刷してみました。
およその感想をまとめてみます。

白の部分(ハイトライト付近)は、P-400の能力では描きにくい。
248くらいで飽和している様子。BJ-F900の方が粘る。
双方のプリンターの色や濃度がかなり違う。特に彩度が高い写真では差がある。
BJ-F900の方が派手に色が出る。(VIVIDの恩恵もありそう)
グレー主体の場合では、P-400の方が階調が狭いように感じられる。
(ハイトライト付近が飛び易く、黒の締まりがあるから)
一方BJ-F900では、白に階調が残るのだが、黒が弱くなるので柔らかく見える。
BJ-F900の場合、少し濃度の高い部分で汚い斑点状の描写が見られる。

RとBについてもチャート通り、P-400の方が深い感じ。
顔料系では透明感は得にくいが、深い色は出しやすいのだろう。

解像感はあまり変わらないが、独特の階調(滑り感?)はP-400にある。
写真的にはP-400だろうか。

緑色の高彩度を指定した場合、BJ-F900の方が再現性が高い。P-400では
色乗りの良い深い緑は出ない?(VIVIDを使ったサンプルと比較)
Yは蛍光染料系の色を持つらしく、派手な緑は有利と思える。