ジオマを使ってデジスコ


鳥の撮影で色々な場所に出かけると、必ずと言って良いほど野鳥ファンの方を見かけます。多くの方は双眼鏡やスコープを持っていて、メモを取ったり観望して楽しんでいるようです。
最近ではデジタルカメラが市場に多く出ているので、この手のスコープとデジタルカメラを組み合わせて、「デジスコ」をやっている方々も頻繁に目にします。

私はと言うと、画質優先でデジタル一眼レフを使っています。ただし、どうしてもデジスコのような超超望遠撮影は難しい。一方デジスコはと言えば、小さいccdにより光学系が小型化できるメリットが大きく、低価格で軽量、気楽に使えるし被写界深度も深い。

そんな訳で、私も少しだけデジスコしてみることにしました。

 

スコープ (ビクセン製 ジオマ [GEOMA 52-S])

今回はきちんとしたスコープ(口径が大きくて防水してある高いモノ)は用意しませんでした。
ある程度の大きさと重さが避けられないからです。幾らデジスコとは言え、35mm換算で3000mm を超えるようなケースでは、しっかりしたスコープ&三脚が必須です。
けれども、手軽に使える方が良いのでライトウエイト&短焦点な機動力があるものを考えてみます。

さて、チョイスしたのはジオマという奴です。
天体望遠鏡などでおなじみのビクセン製であります。幾つか種類がありますけれど、口径52mm の一番小さい奴をセレクトしました。重さは500g を切ります。また、伸縮する構造になっているので、格納時には短くて非常に扱いやすいですね。

この写真は、伸縮鏡筒とフードを伸ばしたところです。また、ボディを覆っているジャケット状のものは、専用のハンドフォールディングケースです。
左側が接眼部ですが、DG-FS アダプターを付けてあります。

 

このスコープは初心者向けということもあり、付属品にアイピースがセットされています。AL 25 という名前を記されているのですが、要するに25倍になる接眼レンズです。
実際に使ってみると、このアイピースは芳しくありません。倍率が高過ぎることと、たぶん光学性能が低いためでしょう。コストの問題が大きいから”おまけ”位に考えるべきかも。

それから、鏡筒内部(レンズの内側面)に艶消し処理がありません。
対物レンズ直後の部分は摺動面なので仕方ないですが、その奥は処理できるはずです。それに、一番奥にはプリズムが固定されているのですが、横から光が入ってしまう心配もあります。

この点についても、アイピース同様にコストの問題があるのでしょう。
手を掛けてやれるのはユーザー自身ですから、早速細工をしました。黒く塗装した紙を丸めて、鏡筒の中に収めます。また、紙で作った筒の接眼側にドーナツ状にカットした黒い紙をセットしました。(所謂絞り輪です)

モノを作ってしまってから、この絞り輪の内径が適切かどうか考えてみたのですが、少し小さかったようです。ケラレが出ているのは間違いなさそう。まあ、その点は実際に使ってから判断して、変更してもいいでしょう。
ちなみに、私の絞り輪はφ20です。

 

アイピースを購入

スコープに付属のアイピースはイマイチなので、新たにアイピースを購入しました。GLH20です。デジスコ関連BBSなどでも評価が高い様なので、試してみましょう。

定価では\12000 とあるように、それなりのものです。
全体に大きくて、しっかりしています。光学性能は明確に分かりませんが、少なくともジオマとの組み合わせでは、付属の物と比べかなり改善されます。

このアイピースは、カメラの取り付けとの関係で分解して使いました。
ただし、1回だけでした。なぜかというと、初回の撮影後に紛失してしまったからです。きちんと固定していなかったので、外れて海の藻くずと消えてしまったのです。(;_;)

 

デジスコにしてみる


本体とアイピースが揃ったので、撮影用のアダプターを入手しました。
”DG-FS” と”DGリング”という2つです。取り扱い説明書によると、GLH20 は付かないことになっています。けれども、分解して何とかなるだろう&細工して取り付けようと考えてみました。
幸い、分解した方のレポートがデジスコ.COMにありました。参考にさせていただきバラします。一応、細い部分にテープ巻き程度で本体に仮接続することは可能でした。(このまま放置したため、悲劇が)

アイピースが取りあえず固定できたので、アダプターをセットしてみました。きちんと装着出来ないけれど、通常の利用には支障無さそうです。ということで、このスタイルで試写してみましょう。

DG-FS :スコープ側に取り付ける金具 カメラアダプター本体です
DGリング :カメラ側の取り付け金具 カメラによって取り付けネジ径が違うので複数売られています

 

試写の感想など

今回は手持ちのカメラCoolpix 950 を繋いでみました。
カメラが少し重いので、全体として1kg を超えていました。でも、いつものデジ眼では、2kg にはなりますから、比べると大分軽いです。

画像の方は、こちらでご覧ください。
まあ、それなりでしょうか。カメラの性能上画質が悪いこともあるので、光学系だけの評価ではありません。あしからず。

使ってみたところ、さすがに手持ちでは辛いです。今回は一脚や手近な物に寄り添わせて安定させて撮影しています。
正確な焦点距離は分かりませんが、35mm 換算で800mm 位のイメージだと思います。ccdが小さいのため、実際の光学焦点距離は、100mm 位かなと推測しています。だったら最初から、直焦点で撮りたいなあ。

100 カット位撮影して思ったのですが、液晶モニターに映る鳥の様子を見ていると面白いです。何か、ビデオでも見ている様な錯覚を覚えます。一眼レフのファインダーよりも応答性が悪い(当たり前か)のですが、違う意味で楽しめます。おっと、写真の話になってないな、失礼しました。

シャッターを切ると、かなりのタイムラグがあって撮影されます。この点はカメラの性能が低いことが原因です。非常にイライラしますね。それから、1枚撮影した後、数秒待たされてしまって、その間は何も出来ません。シーケンシャル処理で長い長い時間が過ぎて行きます。ほんの3秒ほどが、数分に感じます。
従って、次のシャッターを押せる様になってもモニターに鳥の姿はありません。(-_-)
忍耐の撮影がストレスになりそうです。

 

さて、次にピントの話です。
カメラがピントを合わせてくれます。所謂オートフォーカス(AF)です。

デジスコでもAFが使えるので便利ですけれど、おおざっぱなピントは手動で合わせる必要があります。
また、AFはしばしばピントを外してくれます。コントラスト検出方式(全画面?)の所以か、映った被写体の手前側とか後ろ側にピントを合わせてしまいました。鳥ではなくて、手前の石ころとか、後ろの地面なんかにピントが来ます。

ピントの問題は、ブレと同じく結構シビアな世界です。
何か汚い絵だなと思ったら、この2つを疑った方がいいです。特に、慣れない方はカメラや機材が悪いと思いがちですから。


辺りが少し暗くなっても、人間の目は明るさを自動調節してしまうのでそれなりに良く見えます。けれども、デジスコには大敵です。特にカメラの性能が効いてきます。今回使ったカメラでは、暗くなるとノイズが非常に目立ちます。明るいシーンでのみ使えると考える方がベターです。

それから同じく、手ブレのことも明るさに影響を受けます。
気楽に使える超超望遠ですが、シャッター速度が1/125 辺りから使い物になりません。機材が手軽なので錯覚を起こしてしまいそうですが、良く頭に入れておくべきでしょう。
この部分を考えると、昼間のピーカンで高速シャッターが必要なことが良く分かります。ん〜、このカメラの最高速は1/500 だから、使える範囲が凄く狭いですね。迂闊に絞りは使えないし。(そうでもなかった)
考えると辛くなることが多いなあ。

ここでは三脚を使って手ぶれを防ぐことを書いていません。なんせ、使わないのが前提条件なので。もしも三脚を使うことを考えてもよいなら、口径の大きな高性能スコープを入れましょう。正統派デジスコの凄い望遠効果で遊ぶべきです。

 

色々含めて

プラスもマイナスも書いてみましたが、今回のテストで私なりにデジスコのイメージが大分掴めました。もちろん、正統派デジスコ?とは方向性が違うのですが、手軽にやれるデジスコの雰囲気に限定すればよいことです。

ジオマは、実売価格\16000 程です。この価格でそこそこのスコープが買えます。また、小型で軽量ゆえに気楽に扱える。非常にいいところを突いています。
標準装備のアイピースを交換すれば、思ったより良く見えます。高価なスコープ類と比べたら見劣りするでしょうけれど、コストパフォーマンスは高い一台ですね。


デジスコに関しては、カメラを選ぶ必要があります。
撮影間隔の長いモノや、連写が貧弱なタイプでは使いにくいです。この点を解消するために、MZ3 やE-100RS の様な秒間15コマなどというモンスターマシンが必要になるんですね。苦労して改造している方々の気持ちはよく分かりました。

逆に言うと、こんな高速連写が出来るのはデジタルならでは。フィルムカメラではせいぜい6コマ程度ですし、6秒でフィルムの再装填が必要になります。お値段も高く付きますよ。

どうやら完成スタイルとしては、手軽なデジスコ(モバスコと呼ぶ向きあり)は超高速連写が出来るカメラと組み合わせることが一番の様です。仲々厳しいですねえ。

 

余談ですが、上に書いたモンスターカメラは既にほとんど手に入りません。ある意味凄いマシンなんでしょうが、一般的なニーズに合いませんでした。マニア連中から見ても200万画素では今更なんでしょう。

 

2003/09/28 f.c